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Channel: アマチュア無線 by JI1ANI
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TS-990 PSK31のIMD特性

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TS-990を購入しました。これからボツボツと気づいた点などを記事にしていこうと思います。

TS-990でのデジタルモードの運用は、データの入力方法を本体+キーボード、マイク端子入力、背面アクセサリー入力、光入力、USB入力から選べますが、興味があるのはUSBと光です。

Ts990_psk31_opt_best_2送信機系統図をみると、USB入力は無線機の内部で一度アナログに変換して、再度デジタル変換してDSPに送られます。
ですからTS-990のUSB入力は、一般的なPCにUSBオーディオ装置を外付けして、アナログ出力を無線機のライン端子に接続した場合と同じ構成で、USBオーディオデバイスを無線機に内蔵させたイメージです。

USBで使われているPCM2903はS/P DIF出力を持っているので、USB端子はDDコンバーター方式でUSB信号をデジタルのまま直接DSPに入力するのだと思っていました。残念。

USBに対し、光端子は入力信号がDSPに直結sign03されています。これは嬉しいです。光だと回り込みの心配もありません。

TS-990が届いてから色々なモードでワッチしていますが、全般的に歪みが少なく感じます。表現が難しいのですが、ボリュームを上げてもうるさくない音かな?
音調はこれが伝統のケンウッドサウンドなのでしょうか?抜けが良く、帯域以上の広がりを感じる音質です。受信音の印象は「歪みの少ないTS-990」ですが、送信はどうでしょうか?

TS-990でPSK31を運用しましたが、DXからの応答率が上がったように感じています。PSK31で応答率が上がる理由の一つに送信IMDの向上が考えられます。
基本的に出力を犠牲にすればIMDは向上しますが、そうは言っても数十W出力とフルパワー出力の応答率の差は大きいです。せっかくの200W機ですから、IMDを確保しつつパワーを出したいので、フルパワーに近い状態でのIMDの状況を探るのが今回の目的です。
TS-990のIMDをベストな状態にするわけではありません。

IMDの計測はTS-990にPCとダミーロードを接続、PCでLogger32を使ってTS-990内蔵のUSBオーディオデバイスもしくはPC内部のサウンドカード(光出力)でPSK31信号を生成して送信します。
受信は同軸切換器を使ってダミーロードに送信中の信号をピックアップ、自作のDCモニター受信機で受信したオーディオ信号をPC上のWaveSpectraで計測しました。なお、周波数はDCモニター受信機の関係で3.5メガで計測しています。

図はTS-990にPSK31信号を光入力した時のIMDを計測中の図です。IMDは-35.1dB+6dB(2トーンなので)=41.1dBですけど、PSK31の場合は+6dBしないでIMDとして表現することが多いようですから、この記事ではf1 or f2と3次の差をそのままIMDと呼ぶことにします。

TS-990のUSB入力はPCに専用ドライバーをインストールして利用しますが、PC側で「スピーカー」と表示されるデバイスが、TS-990のUSB入力なのです。でも、無線機側からすると入力されるわけで、ついつい「マイク」と勘違いしてしまい「動かねぇ・・・・」と暫く悩みました(笑)。
色々と試したところ、PC側のUSB スピーカーの出力レベルは2が最良点のようです。もっとネチッコク調べると他にポイントがあるかもしれません。

USB・光両方とも、PSK31信号を生成するオーディオデバイス自身のIMD最良点を探してから、次にTS-990の入力レベルを調整しつつ、再度オーディオデハイスの出力レベルを微調整して最終的にIMDが良くなるように調整した結果を纏めました。パワーとALCの値は、TS-990のメーター表示を目で読み取っています。ALCは赤い線の最大を100%とし、適正エリアを超えるとoverとしました。

Ts990_psk_imd_test_3

USB・光入力両方とも定格に近い出力でPSK31の送信IMDが-35dBを超えるポイントを見つけて「おお~~~」って喜んだのですが、TS-990のカタログにIMDのグラフが掲載されていて-35dB程度と読み取れます。なんのことはない、PSKでも同じという結果です。なんだかスペックの検証になってしまいました。

PSKでは定格出力の半分程度の出力で・・・という注意がありましたが、DSP機の場合は様子が違うようで、調整次第でIMDを確保しつつほぼ定格出力できる機種が多いと思います。

最後に本体にキーボードを接続してPSKモードで送信してIMDを計測してみました。マニュアル通りの設定でIMD最良点を見つけることができましたが、外部入力と較べて、なぜかIMDが数dB劣る結果となりました。
でも、USBや光接続はオーディオデバイスの調整と本体の入力レベルの調整に半日以上時間がかかりましたので、お手軽運用と多少は差がないと・・・ね。


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