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Channel: アマチュア無線 by JI1ANI
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21MHz チェビシェフBPF 製作編

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15mbpf_2設計したコイル定数で作ってみました。秋月で購入したLCRメータ DE5000があるので、フィルターに使うLCは測定しながら作業を進めました。

最初に使うLCを測定して、LTspiceに測定値を入れ、フィルターの特性が実際の定数でどのように変化するのかをシミュレーションしながら製作しました。

当然ですが、シミュレーション通りのフィルターが作れます。
そうやって、設計通りのフィルターが出来たのですが、APB-3で計測して設計が間違っていることに気づきましたcoldsweats01

今回の回路だと二つのピークができるので、僕はそのツインピークスの真ん中をフィルターの中心周波数にしましたが、SWR特性(インピーダンス)でみると左のピークに最低点があるのです。

キットのオリジナルの定数でもそのように設計されているのはシミュレーションで確認しましたが、その時は「ズレてる」と思っていたのでした・・・・。浅はかでしたゴメンナサイ。
ですから50Ωの伝送路で使う前提だと、左のピークを使うことになります。

15mbpf_4 15m用の改造設計値より全体的に周波数を高くするため、コイルの定数はL1 1.44uH L2 1.5uHとそれぞれ0.1u程度設計値よりも少なくなるようにコイルを調節・巻き数減らし、測定したような特性のフィルターに仕上げました。

スパンをHF帯全体に広げるとこんな感じです。HF帯からいい感じで15mを抜き出すBPFになっています。

帯域が広く見えますが、ハイQのコイルじゃないと帯域を狭くすると、減衰が増えるのでこのあたりがバンド幅と減衰のバランス点ではないかと思っています。

今回初めて自分で巻いたコイルを測定してみましたが・・・・いゃぁ、驚きました。

1.5uHは21回巻程度なのはキットの説明書で判りましたが、実際には巻き具合(密度)でインダクタンスが変化します。当然なんですが、±10%程度変わるんです。
つまりスカスカに巻くと1.35uH程度になるし、密巻きだと1.7uHくらいのコイルになるんです。

15mbpf_6シミュレーションしてみると判りますが、Lの定数が設計値と10%も違ったらベツモノになっちゃいます。
幸いキットには上手い工夫がされていて、巻き数と、巻いた後のコイルの角度が指示されていました。
巻き数を間違えなければ、角度を合わせると5%程度の誤差まで絞り込みできます。
また、コアの穴に差し込んで、巻いてある銅線を固定するパイプが入っていました。
サスガです。

でも、コイル巻きはLCRメータがあると安心ですね。バラック状態での測定ですので、早くケースに入れないと・・・・。
それにしても、LCRメータとネットワークアナライザ持ってれば、難物だった「狙い通り」のフィルターを効率的に自作できますね。


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