接地が大切ですが、接地が取れない場合、カウンターポイズも使われます。カウンターポイズなら、エレベーテッドが良いと思いますが、見た目は蜘蛛の巣で、住宅街では美観上かなり問題があります。
ビルやマンションでは、エレベーテッドはとても難しいので、床や屋上に這わせる方法になります。でも、電線を建物に這わせる方法は、建物の鉄筋などと静電結合を期待して電線を這わせることにもなります。
鉄筋との静電結合を追求するなら、線より面が有利です。1mmΦ程度の電線20mを折り畳んで、コンデンサとしての面積すると、0.001m×20m=0.02㎡で、14cm四方の板と大体同じ。かなり小さいです。
というわけで、バーチカルの接地としてトタン板(0.4mx1.8m)を敷いて、他のグランドとして使っていた方法と比較しました。処理方法は3つあります。
1.トタン
トタン板の面積は0.4x1.8=0.72㎡です。厚さ0.25mmのものなので、普通のハサミで切断できました。給電点から屋上面のトタン板までは接地用のアースバー(1.2m)で立ち上げています。
2.支柱
屋上を一周(全長40m弱)しているアルミ製の転落防止用の手摺りの支柱。直流的には手摺りは導通していない。給電点から支柱のビスまで10cm程度です。
3.手摺り
給電点から手摺り下部、屋上面から20cm程度上に約12mの銅箔テープを貼ったもの。銅箔が薄いためか、表面が酸化したためか、現在では12mで1.5Ω程度(テスターで計測)あります。
計測は接地方法を変えるアンテナ(スクリュードライバー)から200Wで送信した信号を約15m離れた受信アンテナで受信し、その信号をスペアナで計測しました。
なお、計測は輻射効率が問題となる短縮率の高い3.5メガで実施しました。そのため、グラウンドの種類によってSWRが変化していますが、誤差の範囲と考えています。
測定誤差にも見えますが、時間を置いて数回計測しても0.01dB単位でほぼ同一値です。3パターンではトタンが少し優れていると言えそうです。他のアパマンの方もレポートされているように、鉄筋との結合は金属板か金属網を使うのが良さそうです。