入手が容易でHF帯での特性も良いTDKのパッチンコア、外側のケースが紫外線でボロボロになって、二つに割れたヤツありませんか?
今回はそんな「パッチンできないコア」を4個分(半円形が8個)集めて、メガネ型に並べてローバンド用のCMFを作りました。
4個の半円筒形のコアを並べてメガネ型にして、それを2段積み重ねた状態で、崩れないようにセロテープで固定します。
固定したメガネ型コアに、ABS樹脂製の熱収縮チューブを被せてシュリンクさせて、メガネ型コアを作ります。
コアの内径は13mmありますので3D2Vなら3本通りますが、ローバンド用には巻き数が少なすぎますので、直径3mm程度のRG316やRG174、1.5D2Vなどの細い同軸を使って巻き数を増やします。
今回は同軸の切れ端を使ったので5.5回巻きとなりましたが、6.5回巻きとしたいところです。ZCAT3035は6回巻きで3.5メガあたりで-20dB以上の減衰が得られることがZCAT3035-1330のコモンモード減衰特性の記事の実験で判っています。
メガネ型にしても大体同じ減衰特性になりますが、今回は2段重ねですので、単体の倍弱の減衰が得られそうです。
また、メガネ型にすることで、コアの体積が大きくなるため、耐入力もコアの体積に比例して大きくなると想像しています。
今回は2個並べて、2段重ねで4個使って一つのコアにしましたので、体積では4倍、耐入力も4倍以上になるのではないかな?(どなたかご存じですか?)
5.5回巻きでグラフのように7メガ中心のローバンド用としては、7メカで-40dBと一般的な市販品レベルと同等以上の特性となりました。
市販品はオールバンドですが、今回のはHFハイバンドでは減衰特性が悪化します。でも28メガでも-20dB以上はとれていますので、オマジナイ的に入れたコアよりは効くと思います。
コモンモードフィルターですが、やはり-40dB以上のものを使うと、ノイズが減ることを実感しました。ローバンドよりもハイバンドの方が効果は顕著に感じます。
挿入場所は給電点(同軸の先)と無線機側の二カ所に入れています。無線機側には-40dB以上減衰するCMFを入れていましたが、給電点側は-20dB程度のCMFでした。
それを-50dB近く減衰するCMFに交換したところ、ノイズ減少効果を実感しました。
インターフェアはともかく、受信ノイズの削減に着目してCMFを入れるなら、無線機側と給電点の2カ所に挿入すること。挿入するCMFは目的のバンドで-40dB以上減衰することがポイントです。