ICOMの場合AGC設定は基本的にはF/M/Sの三種類。Fが一番早いのでFにしています。Fはデフォルトで0.3ですが、僕は0.1(最小)にしています。
FT8では無線機のAGCはoffが良いという声を見かけますが、僕は今までAGC onで運用していましたが不都合感じたことがありません。
IC-7851は、メインとサブに全く同一の受信機が入っていますので、同じアンテナで設定を代えた場合など、比較が容易にできます。
ということで、AGCの有無でのFT8のデコード率を比較してみました。
比較前提条件
・サウンドカードはS/Nが100dB以上のそれなりのものを使う
入力した信号がサウンドカード内部で歪んでしまっては比較の意味がない。特にAGC offの場合はサウンドカードの性能がデコード率にシビアに反映されそう。
・JTDXへの入力レベルは30~40
前項に関連するが、サウンドカードへの入力レベルが高いと、高いレベルの信号は容易に歪んでしまうことが想像される。殆どの場合0dBを超える信号で破綻する。
・朝の7メガ、国内とDXが混在してる状況
強い信号の影に弱いDXが見える朝の7メガがAGCの影響が大きいと考えて2019年1月20日
23時ごろにテストしました。
23時ごろにテストしました。
・設備
IC7851 main sub RX AGC以外は全く同一の設定
アンテナは地上高 17mのOPantenna(全長30cm弱)
結果は冒頭のようになりました。AGC offはどっちかな?
ジャンジャカジャ~ン
朝の7メガはとても過酷な条件で、AGC offだと、サウンドカードに負担が集中している状況です。
数dBの強い信号が同時に複数存在したりして、単一信号の時にはわからない優れた多信号特性が求められます。無線機でも最近は多信号特性が話題になっていますが、高周波と低周波の違いだけで、サウンドカードも無線機と同じです。
そもそもオーディオ帯域を使ったデジタルモードは、無線機は高周波と低周波のトランスバーターとして動作するだけで、PCとサウンドカードが従来の無線機の役割をしているわけです。ですから、サウンドカードは受信機のフロントエンドみたいなものです。
そもそもオーディオ帯域を使ったデジタルモードは、無線機は高周波と低周波のトランスバーターとして動作するだけで、PCとサウンドカードが従来の無線機の役割をしているわけです。ですから、サウンドカードは受信機のフロントエンドみたいなものです。
このAGCの実験は、ここ数週間、色々なバンド、シチュエーションで繰り返し行っていますが、強弱の幅が広がるほど、今回の実験結果に近い結果がでました。
また、160mなど微弱な信号のみわりと少数(数局とか)見える場合は、逆にAGC offの方がわずかにデコード率が良くなるようです。
どうも万能の設定は存在しないようで、外来ノイズの有無、受信しているバンド内の信号のダイナミックレンジなどを勘案して、都度ベストな設定を行う必要がありそうです。
どうも万能の設定は存在しないようで、外来ノイズの有無、受信しているバンド内の信号のダイナミックレンジなどを勘案して、都度ベストな設定を行う必要がありそうです。
この問題は、サウンドカードやAGCのバラメータ(スレシホールドのレベルとか)や受信している信号と帯域などによって結果が変わると思います。
今日の記事は事例として、ご自分で確認して、じぶんなりの使い方、設定を見つけてください。
僕はPCと無線機は光接続です。無線機のDSPからPCのJTDXまではデジタル信号のままで、ベストな条件です。7851でもUSB接続は光接続よりも信号が劣化している可能性が高いので使っていません。
光接続にもかかわらず、今回のような結果になるのはJTDXのデコーダーの問題の可能性が高いように感じます。(JTDX v2.0.2-rc124)