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Channel: アマチュア無線 by JI1ANI
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簡易RF Samplerの改造

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今年の始めに作った簡易RFサンプラーは同軸コンデンサーで本来の信号をピックアップする方式でした。周波数特性は不満ですが、簡単ですし、減衰量の取れるローバンドではサンプラーとしては十分使い物になりました。

もう少し周波数特性を改善したいなと思っていましたが、トロイダルコアでのピックアップを試してみることにしました。コアの中に同軸の芯線を通して、コアに1ターンのコイルを巻いてピックアップする方法です。
SWR計のピックアップなどで使われていたと記憶しています。

Photo手元に電源チョークに使われていた緑色のコアがありましたので、ものは試しということで改造してみました。

う~ん。

改悪になっちゃいましたね。3.6メガの減衰量はほぼ同じですが、高い周波数での減衰量が改造前よりも減ってしまいました。


14メガで-37dB程度だから、まぁいいかな? そもそも周波数特性が良いサンプラーはとっても高価ですから、そうそう簡単に作れないです。

ハイバンドは外付けのアッテネータと組み合わせて使えば問題ありませんので、元に戻さず当分はこの状態で使うことにしました。なんせ、自作のDCモニター受信機の発振器は3.6メガのTCXOですから、他のバンドではモニターできないのです。

-55dB程度減衰していれば200Wが0.6mWになるわけで、サンプラーの出力をそのままDCモニター受信機に入れたり、スペアナに入れたりできます。但し3.6メガは・・・ですね。
7メガ以上はアッテネーターを入れないと危険だな。

-20dB程度のアッテネータを内蔵させようかとも考えたのですが、ダミーロードは机の下の奥に置いてあるので、いちいち机の下に潜ってスイッチ切り替えることは面倒なので、そのままというわけです。
たぶん、コアの材質で周波数特性はある程度は変わるのでしょうね。


サウンドカードでIMDを計測する時の注意点

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「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」を読んで、ピークリミッタが効いてるなら2信号特性が悪くなるよなぁ~って思いました。IMDの計測で良く使うWaveGeneがバージョンアップしてWASAPIに対応したので、すぐに検証できるハズです。

計測条件:OS Windows7 64bit
            :サウンドカード Carddeluxe  S/P DIF 光ループバック接続  44.1kHz 16bit
SG        :WaveGene ver.1.5  MME & WASAPI
計測      :WaveSpectra ver1.5  MME & WASAPI

WaveGeneでPSK31の疑似信号(31.25Hz離れた2Tone信号)を生成して光出力、光ケーブルでループバック接続し、光入力をWaveSpectraで計測しました。

1.WaveGene WASAPI (0dB)→光ケーブル→WaveSpectra WASAPI
  Windowsオーディオエンジンの影響を受けない場合

WGの設定
Wg_vol_max_2
計測結果
Wg_wasapi_to_ws_wasapi_16_44_2
IMDという言葉すら不要です。素晴らしく綺麗。こんな無線機あったらいいなぁ~。
2信号以外はノイスレベル。

2.WaveGene MME(0dB) →光ケーブル→WaveSpectra WASAPI
  Windowsオーディオエンジンの影響を受けた場合。WGの設定は1と同一。

計測結果

Wg_mme_to_ws_wasapi_16_44
sign03sign03でしょ?信号源のWGをWASAPIからMMEに変更しただけです。0dB付近に2信号のレベルを揃えるのはIMDの計測ではありがちだと思います。

3.WaveGene MME(各信号-1dB) →光ケーブル→WaveSpectra WASAPI
    Windowsオーディオエンジンの影響を受けないように、2のWGの出力レベルから1信号につき-1dBずつ下げた場合。その他のWGの設定は2と同一。

WGの設定
Wg_vol_max2db

計測結果
2db_wg_mme_to_ws_wasapi_16_44
記事の通り、MMEだとレベルを下げることでWindowsオーディオエンジンの影響は見られなくなるようです。1と較べると若干ダイナミックレンジが狭い程度。

WIndows Vista以降のマシンでIMDを計測する場合、WGやWSは可能な限りWASAPIで使うこと。WASAPIがダメでMMEを使うならWGの出力は少し絞ってループバックテストしてから測定のこと。

僕のところではこんな結果になりましたが、ぜひ皆さんの追試をお待ちしております。

TS-990 送信音が良い理由

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Ts990_drange_2 TS-990は受信も送信も音質がとても良いのです。SSBの場合、フィルター設定で帯域を広げたから・・・ではなくて、100~2800Hzの2700Hz幅に設定しても素晴らしく良い音質です。今のところ不満はありません。

また、最初にTS-990でワッチした時の印象は「音の情報量が多い」でした。この印象は今でも変わりません。他の無線機の受信音の情報量が10とすると、TS-990の受信音は11か12くらいの情報量があるんです。
この情報量が多いという意味は、例えば音声なら他の無線機では感じない細かいニュアンスを感じる・・・かな?
受信音で感じる情報量の多さは送信音でも同じようで「TS-990って、声の細かいニュアンスまでとても良く判りますね」と交信した相手からご評価いただくことが多いです。
僕の経験では、音の細かいニュアンスの表現に優れているアンプは、優れたダイナミックレンジを持っています。

グラフはTS-990でフルパワーでLSBの無変調を送信した時(下側の薄い水色)と、その状態でシングルトーンを出力が200Wになるレベルで入力した時(上側の濃い水色)です。
出力200W設定で無変調送信すると、薄い水色のように6kHz幅で-120dB程度だったノイズフロアが-110dB程度にあがります。

濃い水色のピークは200W出力の信号で-4.4dBです。一方、薄い水色の無変調時の出力は0Wではありませんが、かなり微小出力で約-110dBです。ピーク信号と無変調時のノイズフロアの差がLSB送信時のダイナミックレンジですからTS-990のLSB送信時のダイナミックレンジは110dB-4.4dB=約105dBと読み取れます。

う~ん、105dBってCDよりもダイナミックレンジが広いですよ。
帯域は3kHzだけど、適切な信号を入力すれば、TS-990の送信音質はCD音質を超えると言えばいいのかな?変な信号入れちゃぁTS-990が可哀相です。

TS-990の光入力端子に光入力されたデジタル信号はTS-990のDSPへ入力されます。したがって光入力端子を使えば、マイクアンプや増幅器などの影響を排除して、TS-990の変調器(DSPのこと)~終段までのダイナミックレンジを計測できると考えました。

TS-990の変調入力を光入力のみにして、光入力端子には何も信号を送らない状態で送信状態にします。TS-990は光入力での無変調を送信します。無入力ですからTS-990のDSP以降で発生するノイズしか送信されません。
この状態を示したのがグラフの薄い水色です。実験は3.6メガLSB、フィルターは10~3000Hzの設定でしたが6kHzの盛り上がりは予想外でした。3kHzならフィルターの帯域幅通りなんですが・・・・。

次に無変調送信の状態で、WaveGeneで生成した1500HzのシングルトーンをTS-990の光端子から入力したのが濃い水色のグラフです。シングルトーンの入力レベルはTS-990のALCの赤い部分の真ん中あたり、出力は200Wです。入力レベルを上げても出力は増えない状態です。

ダイナミックレンジが約105dBに制約される理由を考えてみます。
デジタル信号のゼロはゼロです。DSPからたどると、TS-990のDSP処理した信号をアナログ信号に変換するDAコンバーターはAK4387(106dB 192kHz 24-Bit 2ch ΔΣ DAC)です。
このDACチップのS/Nは106dBで、タイナミックレンジの計測結果はほぼ同じ。なるほど、TS-990の送信時のダイナミックレンジは、DSP後のDACの性能で決まっているみたいです。

オーディオと同じですね。また、ダイナミックレンジが105dBあるということは、TS-990は24bit(orそれ以上)で内部処理しているのではないでしょうか?
TS-990の音質はアナログ部分の設計やDSPでのフィルター処理やAGCが巧みなことも理由として考えられますが、そもそも基本的な部分で最低でも24bit処理しているとしたら、音の情報量が多いのも納得できます。

ということで、TS-990の送信音質をフルに引き出すためには、最終的にダイナミックレンジを105dB以上確保した信号を入力してあげる必要がありそうです。
お家にスタジオ作らなきゃ・・・ね。

TS-990 使う人には便利な機能

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Control_img_quick01TS-990にはたくさんのプッシュスイッチがあります。購入前は「普通にQSOしている時はVFOしか触らないだろう・・・」と思っていましたが・・・・実際には触ることが多いのです。

メニュー方式だと、操作が面倒なので細かい設定は変更しませんが、ダイレクトにアクセスできるプッシュスイッチだと、ついつい切り替えるようになります。開発者のコメントの通りです。ホント。

僕の使い方はちょっと変わっているとは思いますが、RX ANTとXVTRはとても便利です。
スイッチの場所もいいですね。実に操作しやすい場所にわざわざこの3つのスイッチを配置しているのはアマチュア無線「技師」への応援だと思っています。

RX ANTは1プッシュで受信専用アンテナに切り替えるスイッチで、トグル動作です。僕はMini Whip2本で構成したノイズキャンセルアンテナも使っていますが、今までは別途用意したトグルスイッチでのアンテナ切換をしていました。受信している時にはメインアンテナと受信専用アンテナをカチャカチャ切り替えて、その時々で受信状態の良いアンテナを使うわけです。ですから切換スイッチはトグル動作がベストです。長押しとか、メニューで設定とか、アンテナスイッチを1-2-3-RXとか何回も押すのはダメです。

僕のように受信専用アンテナを接続する場合、本来のアンテナは受信出力端子でオープンになってしまう仕様です。この状態だと受信入力端子とのアイソレーションが今一つに感じます。そんな時はアンテナ出力端子にショートプラグを接続すると、受信専用アンテナに切り替えると、本来のアンテナはグランドに落ちるのでアイソレーションが改善されます。

「なんだよ遊んでるアンテナはグランドに落ちねーの?」などと言ってはイケマセン。無線機内部でグランドに落としたらCQ誌でJA1RPK川名さんが紹介されたような使い方ができません。
ショートプラグ1個用意すれば両方の用途で便利に使えます。トグルスイッチと合わせて良く考えてあると思います。

それとコストダウンのためか、受信アンテナ端子はRCAですけど、全く問題ないですよ。安いし、ハンダ付けも楽です。DXエンジニアリングでも受信システムには安価なRCAやFコネクタを推奨しています。個人的にはネジ止めできるFコネクタの方が嬉しいけど「75Ωじゃんか!」とか言われるだろうな。

XVTRスイッチはトランスバーター運用モードのスイッチです。メニューで周波数をシフトして表示させたり色々と設定でき、出力も初期設定で5Wに低減されます。トランスバーターを使う方は便利だと思いますが、殆どの方には不要なスイッチです。
このXVTRスイッチ、初期設定では単純に出力が5Wになり、トランスバーターモードを意味する1Hz単位の表示が消えて10Hz単位の表示に切り替わるだけです。TS-990の出力調整は、メイン画面下のPWRツマミで200~5Wまで連続して調節可能です。
でもXVTRスイッチを1プッシュで5Wになるのは便利ですよ。ローカル局とラグチューする時とか、DXが強く聞こえる時に「5Wで届くかな?」って試してみる機会が増えました。

トンランスバーター運用をON/OFFするだけのXVTRスイッチだったら、多くの方には場所を取るだけの無用のスイッチです。ところが初期設定で、トランスバーターモードでの出力5Wの設定だけは生かしてあるからこそできる芸当。
トランスバーター運用しない多くの方にはQRPスイッチとして使えます。良く考えてあります(但しオートチューナーはスルーになりますが、5Wですから不要でしょう)。

最後にDRVスイッチ。背面のDRV端子から出力1mW(0dBm)が取り出せます。135kHz帯を含めたアマチュアバンドで送信できます。出力1mWなら免許は不要ですから、TS-990を2台用意すれば誰でもトランシーバーゴッコができますhappy01
まぁ、そんな方はいないでしょうけどアマチュアバンド限定ながら1mW出力のシグナルジェネレーターとして便利に使えます。SGとしては周波数の精度も安定度も抜群ですし、発振波もとても綺麗です。

DRV端子があると、簡単なアンプを作って135kHz出てみるか?とか、10W程度のA級増幅器作って綺麗な電波だしてみたい?などと、アマチュアスピリッツが刺激されます。
自作のDC受信機でDRV出力をそのままモニターしてみましたが、そりゃぁもう「sign02これはオーディオ出力だっけlovely」って思うくらいの音質でタマゲました。

TS-990、音質には大満足しているし、無線機の機能でも目立って不満はないけど、細かくみれば色々とあるでしょう。だけど、僕はこういった「遊び心を刺激する」ところを持たせているのがTS-990の真骨頂ではないかと思います。
アマチュア無線、一応業務になっているけど、遊びだもん。無線機だって想像を膨らませてくれる何かがないとダメですよね。

T6T 21/PSK31

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新しいバージョンのLogger32は、内蔵MMVARIのサンプリング周波数が従来の11025Hzから48000Hzへ変更され、送信時のオーディオ出力レベルも下げられました。
そこで実際の信号を受信しながらLogger32をテストしていたら、何やらバンドの下の方でカスカスの信号が見えます。

どれどれ・・・とデコードしてみると、なんとかデコードできました。なんとT6Tでした。ロシアの局とQSOしていたので、終わるのを待ってQSOしました。春先の28メガに続いての21のモードニューです。

DC止めのチョークコイル

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470uhオリジナルと比較して、自作Mini-Whipの性能が今一つな理由としてチョークコイルが浮かび上がってきました。
回路図では470uHと記載されていますが、特に指定はありません。

オリジナルのアンテナ本体は密閉されているので、電源供給ユニットの内部を観察してみると、マイクロインダクタではなく、トロイダルコアを使ったコイルになっています。
当初は疑問に思いませんでしたが、コイルは自己共振周波数より高い周波数はコイルとしての動作から、コンデンサとしての動作になって、高周波を通すようになります。

そこで自作Mini-Whipで使っているマイクロインダクタをネットワークアナライザで計測してみることにしました。
インピーダンスを調べるまでもなく、3MHz付近に自己共振周波数があることがわかります。ということは3MHzから上の周波数ではコンデンサとして電波をジャンジャン通している・・・ようです。

Miniwhip高い周波数で感度が低下する理由の一つは、オリジナルの回路ではカップリングコンデンサの容量が大きすぎることの他に、電源ラインにチョークとして使っているマイクロインダクタの自己共振周波数が低すぎることもあるかもしれません。

因みにオリジナルMini-Whipの電源共有ユニットのアンテナ-DCジャック間のアイソレーションはグラフのような感じで、長波~10MHzあたりまで-60dB程度取れているようです。
普通のマイクロインダクタを使った自作の電源供給ユニットの特性も計測してみましたが、オリジナルと大差ありませんでした。

でも、なんか、インダクタのSRFが関係していそうな気がするなぁ・・・・。昔ながらのRFCにしてみるかな??

W4PKU 21/PSK31

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日曜日の夜に21メガでアンテナをEUに向けてワッチしていたらWのコールサインが見えました。
??と思ってアンテナを北米に向けるとショートパスで北米が見えるではありませんか。

SN101でコンディションが良いとは言え、ちょっとビックリ。こんな時間に21メガで北米東海岸とQSOできるなんて・・・。前サイクルの絶頂期には北極回りで北米が聞こえていましたが、今晩は北極回りのフワフワしたパスではなく、ガツンとショートパスに聞こえます。信号も安定しているみたいです。

いゃぁ、こんな時間に北米、しかも東海岸!!嬉しいですね。

TS-990 TCXOの性能は?

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Tcxo_10khz TS-990は他のフラッグシップ機と異なりTCXOを採用しています。常時温める必要があるOCXOとは違って、コールドスタートから短い時間で周波数が安定するメリットがありますが、反面、周波数精度や安定度の面ではOCXOに多少劣ります。
でも実際の運用ではTCXOでも全く問題ありませんし、運用しててズレを感じたことは一度もありません。TCXOの採用でコストダウンしたのは正しい判断だと思います。

TS-990の基準信号出力をAPB-3で計測してみましたが、僕のアパートのAC電源由来のノイズが観測されていて、TS-990が誤解されるとマズイし、そもそもAPB-3の測定限界を超えているので掲載は控えます。

参考までに、手持ちの低位相雑音TCXOの計測結果とTS-990の測定結果がほぼ同じ結果でしたので、代わりにそちらを掲載しておきます。
これは発振器を乾電池駆動しているため、AC電源由来のノイズは観測されていません。似ていると言っても±3kHz弱にある2本のヒゲはTS-990にはありませんから、これよりも綺麗とご想像ください。

電池駆動の低位相雑音TCXOと同等ということは、TS-990の基準信号はかなり綺麗ということです。精度と安定度を重視した他のフラッグシップ機よりも位相雑音の面では優秀なのではないかと想像しています。

そういえばSherwoodの測定データでもTS-990のLO Noiseは138~150dBc/Hzとナカナカ良い数字でしたね。

10khzとはいうものの、これでは意味不明の記事になってしまうので、拙作のOCXOを使った基準信号を同一条件で計測した結果も出しておきます。

ACラインの引き回しや電源対策などをそれなりに行っていますが、残念ながらAC電源由来とおぼしきノイズが混入していて、汚いスペクトラムになっています。

通常はTS-990のTCXOはoffにして、この信号をTS-990に入れて使っています。
こんな汚い信号をsign01と思われるかもしれませんが、TS-990から出力される信号も同じようにACノイズで汚れていますので、そこは目をつぶって、位相雑音が僅か(数dB?)に低く見える自作の基準信号の方が有利ではないかと思っています。

基準信号は周波数安定度や精度に影響するのは当然として、送信音・受信音にも影響があるように感じています。特に500Hz以下の近傍位相雑音が少ないと、綺麗でダンピングの効いた締まった低域がでるし、受信してても同じ印象です。
軍用無線機のLoがとても良好な特性なのは、周波数安定度や精度、近接周波数などへの影響を少なくするためだけではなく、本質的な了解度そのものが違ってくるため・・・・と僕は考えています。


簡易RF Samplerの改造 その2

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20db簡易RFサンプラーをコア結合方式に変更しましたが、トロイダルコアへの巻き数を1回のつもりで2回にしていたことに気づきました。ついでに計測方法も間違えていました・・・・。トホホ。

いい加減にやっても周波数特性は良くならないと思い、トコロイダルコアを使う以上は教科書である「トロイダル・コア活用百科」を参考にすることにしました。402ページの20dBカプラーです。
20dB取れるなら、後はアッテネーター入れて・・・という算段。

トロイダルコアは手持ちのTDKのパッチンコアZCAT1518-0730を使うことにしました。何から何まで教科書通りでも発見がありませんし・・・・。配線やファラデーシールドなど基本的な部分は教科書通り、コアへは0.32mmΦのエナメル線10回巻です。

パッチンコアは同軸を配線した後からパチンってできるので、教科書のコアよりも工作は格段に楽になります。巻数の変更も手軽にできますからね。
そんなわけで、工作としてはとてもラクチンでした。実はケースが小さいので、コアをパッチンと締めつけるのが一番大変だったりして・・・coldsweats01

今回はBNCから同軸を伸ばしていますが、直接エナメル線で配線してもも50メガまでなら影響ないと思います。

20db_2結果ですが、これが見事に20dBのカップラーになっていました。HF帯を±0.3dBでカバーしているのです。びっくりsign03簡単に素晴らしい特性が得られました。

ZCAT1518-0730と教科書で使っているFT-50-72はコアとしての特性が似ているのかもしれません。このフラットな特性は素直に嬉しい。

でも冷静になって考えてみると、-20dBでは200Wが0.01倍の2Wにしかなりません。

手持ちのアッテネーターの耐圧は2Wですから問題ありませんが、耐圧ギリギリで使うのはなんとなく不安です。でも、このフラットな周波数特性は測定用・モニター用としてとても魅力的です。なかなか上手くいきませんね。

最初に作ったC結合のRFサンプラーはお手軽さと減衰量と周波数特性を上手にバランスしているなと改めて感心しました。
最終的には200W→1mWになる-53dBが必要な減衰量です。外付けの固定アッテネーターで-20dB程度は確保すると仮定すると、サンプラーで-33dB必要です。
あと-13dB増やさねばなりません。

う~~~~ん。

やはりコアの巻数増やす方法かな?でも、二乗に反比例だからなぁ・・・。それにあまり巻数増やすと、高い周波数で良くないことがおきそうだし・・・・。

Mini-WhipはRFCで感度が変わる

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470uh_rfc同軸給電のことを色々と調べてみました。バイアスTって専門メーカーがあるんですね。いやはや、奥が深そうです。

同軸給電のポイントは、DCを通して高周波を止めるチョークコイルですが、やはり自己共振周波数が使う周波数より高くないと、高周波信号がDCよろしくチョークコイル経由で流れてしまってロスになります。

マイクロインダクターは自己共振周波数が一桁短波帯なので、無線に使う短波帯ではロスしています。そこで自己共振周波数が30メガ程度のチョークコイルが欲しくて探しました。

いゃぁ、なかなか見つかりませんでした。自己共振周波数が二桁周波数だと容量が少ないし・・・。
やっと見つけたのがEPCOSのB82111EC27でした。SRF 25MHz DC300mA 470uHです。見た目はMFJやDXEの製品に使われているRFCととても似ています。計測しても自己共振周波数は20MHz以上になっていて、期待できそうです。

470uh_rfc_miniwhip早速Mini-Whipの同軸電源回路に使っていた470uHのマイクロインダクターを取り外して、470uHのRFCを取り付けました。

グラフは0dBのラインが本家Mini-Whipですので、自作Mini-Whipの特性を相対的に示しています。

おーーー、短波帯で本家Mini-Whipと遜色ないゲインが取れています。やはりマイクロインダクターでは自己共振周波数(数メガ程度)以上の短波帯はコンデンサーになって高周波が流れてロスしていたわけですね。

1MHz辺りでゲインが下がっているのは、中波帯で感度を落とすために意図的にカップリングコンデンサーの容量を少なくしているためで、通常の定数ならフラットとお考えください。

ということで、本家Mini-Whipと自作Mini-Whipの感度差の原因が判明しました。Mini-Whipの自作例を検索したかぎり、殆どの同軸給電での製作例ではマイクロインダクターを使っているので、僕みたいに本家に対して短波帯で6dBほど利得が落ちているハズです。
もちろん、アンテナへ直接給電している方もいらっしゃいますので、その場合は本来の感度になっていると思います。

同軸給電でマイクロインダクターを使っている自作例事例では、短波帯の使用感は-6dB程度のアッテネーターを入れた状態でのインプレッションと解釈する必要があると思います。
キットで販売されているSmallAntennaも同軸給電に普通のマイクロインダクターを使っていますので本家Mini-Whipより感度が落ちています。

RF Sampler (-32dB) 完成

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32db_3トロイダル・コア活用百科にある-20dBカプラーをネットで調べると、やはり減衰量が足りなくて、皆さんも苦労されているようです。

各局の製作例をググッていたら、JA6AQOさんがカプラーの改良と固定抵抗のアッテネーターを上手に組み合わせて-40dBカップラーを製作されている記事を見つけました。

カプラーの巻数を増やして20回巻で-26dBと10回巻-20dBから10回巻増で-6dBとのことで、これは役立つデータでした。

コア材質は違いますが、僕の場合も20回巻で-26dB程度は得られるでしょう。またji3gabさんからは31回巻で-30dBとの情報もいただきました。

目標は200Wを1mWにする-53dBですが、20dBは外付けのアッテネーターにお任せするとして、サンプラー単体で-33dBが目標です。
20回巻の-26dBでは目標の-33dBまで6dB不足しますが、2次側に50Ω抵抗をコイルと並列に入れることで更に-6dBほど減衰するハズです。

-20dBカプラー完成時から50Ωを入れるのは考えていましたが、-20dBでは2Wですからね。このケースには3~4Wの抵抗は大きいし、放熱も心配です。
でも20回巻にすれば-26dBですから200Wが500mWになります。この程度なら1Wの抵抗を使えるし、0.5Wなら放熱もあまり心配する必要はないでしょう。

5010_26db1/2W 100Ωの酸化金属皮膜抵抗の手持ちがありますので2本パラで使えそう・・・ということで、20回巻(-26dB)と50Ω並列挿入(-6dB)の合わせ技で-32dBと皮算用しました。

コアをぐるぐる巻いてから「あれ??」ってなるのは嫌なので、-20dBカプラーをバラす前に50Ω抵抗を並列に入れて特性を調べてみました。

ふむふむ。-26dBになっていますね。50Ω抵抗並列による-6dB上乗せは成功です。

-20dBカプラのコアをほどいて20回巻に巻き直しました。パッチンコアは全体に満遍なく巻くとパッチンが難しいのでコア半分に巻いています。

冒頭の写真が完成した内部です。周波数特性の面から配線は左右均等にすべきですが、今回はコネクタの位置関係から左右不均等に配線しています。100Ωの抵抗1本に見えますが、奥にもう一本あって合成抵抗50Ω 1Wです。

こんないい加減な作りで特性が心配でしたが、32db_250Ωを並列に挿入しているのが効いてるようで50メガ付近までの周波数特性は十分です。

もっとも、データが取れていない周波数が高い部分では周波数特性が悪化しているとは思いますが、50メガまでなら十分使えそう。
実測値は1.8~28MHzで-32.15dB ±0.06dBでした。これは測定誤差と考えるべきですね。スバラシイsign03

-33dBまであと0.8dBですから、本来であれば1~3回巻き足して-33dBにするのでしょうけど、
今回はここまでとして、そのうち微調整したいと思います。

目標には1dBほど足りないものの、適度な減衰量と望外の周波数特性が簡単な工作で得られたので満足です。

Mini-Whipに中波トラップ挿入

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Photo Mini-Whipは、そのコンパクトさを考慮すると、短波帯のアンテナとしても優秀なアンテナだと思います。長・中波で素晴らしい性能ですので、当然ながら160mで使いたい・・・と思うのは当然です。

ところがMini-Whipは感度が高すぎるのか、僕のQTHが中波送信所に近いためか、中波を強力に受信してしまう結果、中波のオバケが3メガ弱まで聞こえます。
まぁ、鉄筋コンクリートの部屋の中、窓から1m程度の木製の机の上にMini-Whip置いて受信しても+30dB前後で中波放送が受信できますので、屋上に設置すると相当な強電界ですからね。

そこで気休めかもしれませんが、中波で一番強力(送信所が近い)なFEN(810kHz)とTBS(954kHz)辺りをトラップで減衰させてみることにしました。挿入する場所はフロントとバッファの間です。
あ、簡単に中波帯の感度を少し下げたいならC2の0.01uFを300pF程度にするといいですよ。同じ理由でC3の0.01uFは1000pFに変更してあります。

Miniwhip_47uh1000pf_no1 LTspiceで色々とシミュレーションしてみると20uHと3000pF辺りが良かったのですが、実際に入れてみると、浮遊容量なのか、47uH 1000pFが一番良い結果になりました。

0dBは本家のMini-Whipで、下側が中波トラップを挿入した自作のMini-Whipです。
TBSやFENで-25dBほど減衰していますし、カップリングコンデンサを300pFにした効果で中波放送帯の下端まで-10dB以上減衰しています。

中波トラップで肝心の160mまでトラップされては意味がありませんので、グラフのように急峻な特性にして影響がないようにしましたが、中波バンドの上端の減衰が少なくなってしまいました。

対策結果は、中波トラップでオバケの信号強度はかなり下がったものの、相変わらず聞こえています。もう一息って感じです。残念・・・。
Mini-Whipを屋上にあげるとメーター振り切れ(+60dB程度)で聞こえていますからね。20dB程度では効果ないのかもしれません。

僕みたいに中波放送の送信所に近くてメーター振り切れではなく、S9+30dB程度なら有効な対策になるかも知れません。ご参考まで。

Mini-Whipが中波でオバケの出る理由

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Photo最近Mini-Whipの改良を考えています。中波のオバケを減らしたいというわけです。中波送信所に近いため、撲滅は無理だと思いつつ、もしかしてら・・・・なぁ~んて夢を描いています。

ちょっとしたワイヤーアンテナでもTBS 954kHzの2倍が1908kHz、1.9メガで聞こえます。もちろんTBSラジオ放送の高調波ではなく、受信側の2次歪みが原因で、954x2の1908kHzでTBSが聞こえてしまうわけです。

無線で話題になる「歪み」について波形で説明しているサイトがあって、とても参考になりました。
1.9メガのJCCは川口市など、中波放送局の送信所の近くはとても人気があるとのこと。理由は2次歪みがs9++で聞こえてしまって、1.9メガにQRVする局が非常に少ないため・・・だそうです。

中波送信所に近い僕のQTHでは盛大に2次歪みが発生するMini-Whip、どんな感じになっているのかLTspiceでシミュレーションしてみました。
グラフはAC1Vを入力した時の出力波形です。一見綺麗なサイン波に見えますが、上側が750mV、下側が680mVと既にこの時点で上下非対称です。

この程度は良いと思うのですが、1.3V辺りから下側が盛大に歪み始めます。2段目の2N5109も3V弱を境に歪み始めるように見えます。
2段目はともかく、1段目はバイアスを変えれば改善しますが、あちらを立てればこちら立たず、という絶妙なパランスの回路ですので、感度を下げずに簡単に歪みを無くすことは難しそうです。

一番効果的なのは感度を下げる・・・ですね。定数を変更しなくても、外側のパイプにアルミホイルを程度に巻き付けると感度が下がります。後は巻き付けるアルミホイルの幅で感度を調節する方法が簡単だそうです。もしくは、アンテナの高さを下げるのも感度を下げるのに有効です。

でも、アンテナの感度下げるのは最後の手段として、なにか良い方法ないかなぁと思案中です。シンプルな回路なので、シンプルに解決したいし、そんな簡単に解決できるなら他の皆さんが解決しているだろうし・・・・。
あ、3.5メガ以上でしか使わない・・・という解決策もありますね。対策不要で160mバンドを諦めるだけです。

Mini-Whip オペアンプを使ったバッファ

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Mini-Whipは初段のFETはソースフォロワー、2段目はTRのエミッタフォロワーで構成されて、プロープで受信(?)した信号をハイインピーダンスで受けて50Ωまでインピーダンス変換して同軸で受信機まで接続する構成です。

中波放送のオバケ(2次歪み)を減らす策を考えていますが、FETとTRの両方に問題があってヤヤコシイのです。そこで片方を信頼性の高い回路に置き換えてみることにしました。
FETはブーツストラップ回路を応用したハイインピーダンス入力になっていますで、簡単には置換できそうもありません。

J310lt1810そこで2段目の2N5109のエミフォロ回路をオペアンプに置き換えてみました。他にも色々と方法はあると思うのですが、ハイ受け・ロー出し・同軸のドライブ力・・・・って考えたら僕の場合はオペアンプのボルテージフォロワーなんです(笑)。片電源でも10V程度あれば4V程度は綺麗にスイングしてくれるでしょう。

ということでモノは試し・・・と試してみました。LTspiceでシミュレーションする関係でオペアンプは手持ちのLT1810になっています。

最初は壊しても惜しくない手持ちの5532を使って実験しましたが、周波数特性は別として動作的には問題無いようですので、高速オペアンプを試して周波数特性を本家Mini-Whipと比較してみました。

AD8065Aは実験中不調でしたので参考にしてあります。
ブレットボードで組んで電源回りがいい加減でしたので発振したのかも。出力に50Ω抵抗も入れていませんし・・・。

Opampいつものように基準は本家pa0rdt Mini-Whipです。今回からアンテナとネットアナの結合はリンクコイル方式から静電結合方式に変更しました。

ガラスコップにアルミホイルを巻いてネットアナのOUTPUTの芯線のみアルミホイルに接続、Mini-Whipをガラスコップの中に入れて計測しています。
JH2KMK/田中さん、アドバイスありがとうございました。グラフのようにバッチリです。

オペアンプ勢の300kHz以下が落ちているのは、基板の切れ端を使ったプロープが細長いため、本家の幅広なプローブよりもガラスのコップに巻いたアルミホイルと距離があって静電結合度が低いためではないかと想像しています。

ご覧のようにSE5532もLT1810も中波帯あたりは本家Mini-Whipと遜色ありません。高速オペアンプのLT1810 AD8065Aとにも20MHz辺りから本家を超えていますが、オペアンプの特性としてはフラットですので、20MHz付近で本家Mini-Whipの感度が落ちていることを示しています。

LT1810はレールtoレールなので、電源電圧の中点でバイアスかければ片電源でも0~電源電圧まで綺麗にフルスイングしてくれます。
ということで、初段のJ-310の2次歪みだけをソコソコ正確に測れる準備ができました。

本家と自作オペアンプ版を屋外に設置した時のスペクトラムを貼っておきます。
Pa0rdt_2

Lt1810

DDS発振器の高調波

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Sg Mini-Whipの改良で2次歪みをどうにかしようとして、問題切り分けのために2段目のエミフォロをオペアンプに置き換えたまでは良かったのですが、問題発生です。

オペアンプによるボルテージフォロワー自体の2次歪みを調べようと思って、自作のDDS発振器をSGにして2次歪みを調べようと思っていました。
下調べとして自作のDDS発振器で1MHzを発振させてスペアナで確認してみると、2倍の高調波が基本波より-50dB程度のレベルででています。
普通の用途なら問題ないレベルだと思うのですが、2次歪みを測るのには問題アリです。

試しにDDS発振器の1MHzをオペアンプに入れてみると2倍の高調波が減衰して3倍の高調波が増幅されているような状態で、つまり高調波が出てきているのか、オペアンプで2次歪みが発生しているのか区別付きません。
オペアンプのスペック的には高調波クサイですけど・・・・。

こりゃぁ、SG出力にフィルター付けて高調波を減らさないとダメみたい・・・。そういえば発振器・・・sign03って思いついたアンテナアナライザーFG-01は、もっと高調波レベルが高かったです。
TS-990のDRV出力も確認してみましたが1.8メガで第2高調波は-57dBと手持ちの発振器(?)の中では一番高調波は少なくて、さすがTS-990と嬉しくなりましたが、2次歪み云々には無理がありそうです。


1チップアンテナ動いちゃいました

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1 Mini-Whipの動作原理が単純なインピーダンス変換であることを知って「オペアンプでできるのでは?」と思ったのが2次歪み改善のきっかけでした。
回路のお勉強とかオペアンプの検証を兼ねて2次歪みを改善できれば・・・と始めたわけです。

平行して、広帯域のインピーダンス変換に最適なオペアンプを探しました。見つけたはアナデバのADA4817
FET入力で入力インピーダンスは500GΩ、–3 dB BandwidthがVOUT = 2 V p-pで200MHz、スルーレートやセットリングタイムもとても高速です。

それに歪みが少ない。Harmonic Distortion  f=10 MHz, VOUT=1V p-p, RL=1 kΩで2次歪み−68/3次歪み−66dBcなんです。これならMini-Whipででてくる中波のオバケは消えそうです。
11_2仕様書にも「広帯域インピーダンス変換アプリケーション向けに最適です。」って書いてあるんです。
まさに1チップアンテナにうってつけsign01

3個ほど注文してあったADA4817が昨日届きました。
パッケージはSSOPの8Pinですから変換アダプターに乗りますが、ADA4817は裏面に放熱パッドがあるんです。

放熱パッドが付いてるチップは「アッチッチ」になるというのが僕の経験則なので、真面目に放熱対策をするとにしました。基板作るならスルーホール一個で裏面のべタアースにハンダ付けで事足りますが・・・。
秋月のSSOP8Pin→DIP8Pin変換基板だと、放熱パッドがスルーホールにショートしちゃいます。それに放熱パッドも浮いて放熱できません。

そこでSSOP14Pin→DIP14Pin(幅広)変換基板の裏面を削って不要なパターンを無くしてから、中央に2mmΦの穴を開けて、変換基板の裏面から表に巻くように銅テープを2枚重ねて貼って放熱板としました。チップの放熱パッドは変換基板に開けた穴から見える放熱パッドを銅テープにハンダ付けして、熱を銅テープに逃がすように工夫しました。

変換基板に載せたADA4817でブレットボードにボルテージフォロワー回路を組む時に、このチップは極端に入力イAda4817ンピーダンスが高いし、ものは試し・・・と計画を変更、チップの入力にプロープを取り付けたところ、机の上に置いた状態で中波放送がガンガン受信できるのです。

入力ピン直結ではマズイので、電源電圧の中点でバイアスして、コンデンサでカップリングしてプロープに接続したら安定して受信できるようになりました。
ですから回路は設計したというよりも入力にバイアスかけたボルテージフォロワーそのまま・・・なんです。芸がありませんcoldsweats01

とても単純ですが、本家と比較してみると、過去最高の感度で本家に負けない感度ではありませんかsign03
計測後、イソイソと屋上であがってテスト設置してみると・・・・・スバラシイ。

以前の記事の同様なグラフと比較してみてください。2次歪みが綺麗サッパリ消えています。最初1.5~3メガが綺麗なので、失敗したのかと思いましたヨ。
Ada4817_2
単純だし、工夫もないけどノイズアンテナとして上手く動作してくれるよう、もう少しチューニングしてみます。
これで160mでもノイズキャンセルできるようになるかもhappy02

なお、屋外のデータは両方とも同軸による容量性負荷を考慮して出力に50Ω入れています。本家Mini-Whipよりも6dB程感度が落ちています。
ADA4817には余裕があるので利得を持たせて感度を補ってみるつもりです。

アンドロメダさん、Hiroshiさん、コメントありがとうございました。とても励まされました。
完成にむけて、もう少し頑張ります。
探せばADA4817よりも良いチップがあるように思います。

Mini-Whip 1チップ版 中波のオバケとサヨナラ

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Ada4817_1miniwhipf電波の微小電圧をハイインピーダンスで受けて50Ωに変換する仕組みのMini-Whipアンテナを高速オペアンプ1個で置き換えました。

単純な回路ですが、感度はpa0rdtのMini-Whipと同等です。オリジナルで不満だった2次歪みや3次歪みなどが劇的に改善されます。
僕はFENの送信所から4キロ程度ですが、この1チップアンテナならお化けは出ません。

・特徴
Mini-Whipで発生する中波送信所近傍での2次歪みが気にならないレベルまで下がります。
中波のオバケはでません。
50MHzやFM放送、エアバンドのワッチにも使えます。
ノイズキャンセル用のノイズアンテナとして使えます。

・オペアンプ

単純な回路なのでオペアンプの性能がそのままアンテナの性能になります。
今回はアナデバのADA4817-1 SSOP8Pin1回路入りを使いました。アナデバのチップはアマゾンで全国どこからでも購入できます。

ADA4817は裏面に放熱パッド(金属)があります。僕はSSOP14Pin→DIP14Pinの変換基板を加工して放熱処理しました。僕のところでは手抜き放熱対策ですが、5~7Vで10mA程度でチップ温度は35度(周囲温度+8度)です。
僕の手抜き放熱処理が効果的・・・なハズはありませんから、放熱についてはあまりシビアに考える必要はなさそうです。

また、ADA4817は独自に機能を割り当てたピン(1&8Pin)がありますので、配線する時は注意が必要です。回路図には記載されていませんがPDピンは+5Vへ、放熱パッドはGNDに接続しています。

・プローブ

アンテナに相当するプローブは通常切手2枚分程度の面積の金属板(片面プリント基板でも可)が良いようです。
短いワイヤーやクリップなど、金属なら使えますが、あまり大きい(長い)と入力レベルが高くなり、混変調の原因になります。

・利得

Mini-Whipは無利得のアンテナです。同軸給電とした場合、オペアンプには容量性の負荷(長い同軸)がかかりますので出力に50Ωを入れて安定化しています。
でも出力に50Ωを入れるとオペアンプの出力が減衰しますので、ロス相当分をあらかじめオペアンプで増幅しています。オペアンプの利得はR3とR4で調整可能です。オペアンプでの増幅周波数特性はC2で調節します。
アンテナを高く上げる場合はボルテージフォロワーとして感度を落とした方が2次歪みや多信号特性で有利です。ボルテージフォロワーでも十分な感度が得られます


・周波数特性(短波帯にチューニング済)

1_f本家は長波~20MHzですが、僕が短波帯メインですので、長波と中波の感度が落ちて、短波帯で増幅率があがるように帰還回路定数を設定しています。

短波帯はMini-Whipと同等に受信でき、Mini-Whipは苦手の50MHzやFM.放送、エアーバンドや144MHzまで良好に受信できることを確認済です。

なお、長中波の感度を上げるにはC1/C2/C3を0.1uFとしてください。

またグラフのようにオペアンプの入力バイアス抵抗R1/R2を変更することでも、周波数特性を変更することができます。


・同軸給電

一般的な同軸給電回路です。470uHはRFCを使ってください。マイクロインダクタは自己共振周波数が低い場合が多く、短波帯の感度が6dB以上低下します。

ADA4817は5V以下になると極端に性能が悪化して全バンド高レベル出力の混変調状態になりますので、チップへは必ず5V以上を供給してください。

同軸給電ではRFCと同軸などの給電回路で電圧降下します。僕はこれに気がつかず、10回くらい屋上と自室を行ったりきたりしました。
チップの電源ピンで5V以上必須ですよ。今はシャックから7Vを給電しています。

TS-990 ファームウェアVer. 1.03

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TS-990のファームウェア Ver 1.03がリリースされました。


●今回のアップデート内容
   ・ Ver.1.02→Ver.1.03 (2013年7月12日)
      
1.CW/ボイスメッセージ画面を表示した状態でもTF-SET機能が動作するように仕様を変更しました。

2.CW/ボイスメッセージ画面を表示した状態でも、受信中はサブバンド受信のオン・オフができるように仕様を変更しました。

3.CW/ボイスメッセージ画面を表示していない状態でUSBキーボードのファンクションキー、PFキー、または背面のKEYPADコネクターへの入力によりCW/ボイスメッセージを送信した場合、送信中に表示されるCW/ボイスメッセージ画面を送信完了後に閉じるように仕様を変更しました。
・F4[STOP]を押して再生を中止した場合は、CW/ボイスメッセージ画面は表示されたままになります。

4.メインバンドのみの運用でも、「XITがオンでRITがオフ」の場合には TF-SET機能が動作するように仕様を変更しました。
・[TF-SET]キーを押している間は、メインバンドの同調ツマミでも [RIT/XIT]ツマミと同様にXITの周波数を変えることができます。
・RITがオンの場合には動作しません。
・上記の修正にともない、ラジオコントロールプログラムARCP-990も併せてアップデートしました。
5.CWフルブレークイン時の受信切り換えノイズを改善しました。

6.SSBおよびAMモードでの送信モニターの最大音量を約6dB大きくしました。

7.AGC時定数の「FAST」、「MID」、「SLOW」それぞれの初期値を長くしました。

とのことです。
CW関係での改善が大きいかな?AGCは既に設定を変更しているのですが、初期値は短すぎるように感じていました。

USBメモリー

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Yf311556TS-990には設定や受信音声の記録、ファームウェアのアップグレードにUSBメモリが使えます。
本体前面のUSBに刺して使いますが、大型のUSBメモリだと邪魔になります。

そこで小型のUSBメモリを探していたら、SunDiskのUSBメモリが特価販売していたので、購入しました。
このUSBメモリをTS-990の前面USB端子に取り付けると、1cm弱しかパネルから出っ張りませんので邪魔になりません。

用途からして、そんなに大量のデータを保存する予定はないので4GBにしました。いゃぁ、安くなりましたねぇ。1コインで買えるとは・・・。

もう一個32GBも購入してデスクトップに刺して、疑似固定ドライブとして使っています。
こちらは大切なデータ用。
ハードディスクは夏場に不調になることも多いし、SDDも考えましたが・・・・

Logger32のログのバックアップなど、消えては困るデータ用に使っています。

Mini-Whip 1チップ版 完成

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1chip_miniwhip中波のオバケに強くなったMini-Whipの1チップ版を作ってみました。部品数が少ないためか小一時間で完成させることができました。
2本で2時間程度です。

ノイズキャンセル用に2本製作しました。1本目は失敗がいくつかありますが、2本目はほぼ想定通りの出来ばえです。

なかなか良く聞こえるようです。オリジナルと較べて、ゲインを取ったハイバンドの感度がかなり改善しています。

早速NCC-1に接続したのですが、NCC-1の同軸電源供給が不調のため、他の同軸給電装置を使っていますが、この状態だと無線機で送信する時に1chip版ミニホイップの電源が落ちません。

■追記■
NCC-1は12~14Vを想定しているようです。同軸給電用の外部電源も15~24Vを想定しているため、9Vではリレーが動作せず、不調に見えたのでした。
同軸給電用の外部供給電圧を少しずつ上げたところ、9.5Vで動作するので、マージンをとって10Vで設定しました。
1チップアンテナのADA4817は絶対定格10.6Vなので10Vなら問題ないでしょう。2本合わせて10V 20mA程度でした。

電源ユニットも工作する必要がありそうです。アンテナの動作は問題なく、ノイズをキャンセルして消したりするのはいままで通りにできます。

今回ADA4817は秋月のSOP 8pin→DIP 8pin変換基板を使いました。スルーホールはカプトンテープを貼っててチップの放熱パッドと絶縁してあります。

今回の1チップアンテナはすこぶる感度が良いです。混変調的なことも気になりませんし、肝心のノイズキャンセル効果も18メガまでは簡単に確認できました。
この状態で運用してみて、問題を洗い出してみるつもりです。

アンテナ用の同軸給電用電源には秋月の超低ノイズレギュレーター基板を使ってみました。なんとなーく、静かになったような・・・(笑)。
この電源はそのうちオーディオ用途で評価しようと思っています。

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